蒼角殿って何?玉ねぎみたいな球根植物について調べました

「今日も蒔くぞ」chizuruです。今回は まるでタマネギのような球根を持つ、「蒼角殿について。読み方は ソウカクデンです。

「タマネギのような」と言いましたが、実際はとても綺麗な緑色の 瑞々しい球根です。大きなものだと、直径20cmにもなり、まるで天然石のような 植物とは思えないほどの美しさです。

私のところでは、2021年に実生した苗があり、春と共に 休眠から目覚めて来ました。

いっぱい葉が出てきたな〜と、ビニールポットを持ち上げたら 容器が変形していました。中で、球根が成長し、ポットを押し広げていたのです。そちらは植え替えすることにしました。

よく考えると、実は蒼角殿の事を何も知りませんでした。これを機に蒼角殿について調べたことを まとめていきたいと思います。

目次

蒼角殿って何?

蒼角殿・ソウカクデン 

  1. [キジカクシ科・ボウィェア属]
  2. 学名 Bowiea volubilis[ボウィェア ボルビリス]
  3. 原産地 南アフリカ、東アフリカの砂漠地域
  4. 育て方 直射日光の当たらない 明るい場所
  5. 水やり 成長期はたっぷり水やり
  6. 増やし方 分球・鱗片挿し・実生

この基本情報を元に、調べた事を もう少し詳しく付け加えていきたいと思います。

1.キジカクシ科・ボウィェア属

キジカクシ科は 世界に沢山の種類があるようです。調べると、記事の種類だけ数字にばらつきがありましたので、身近なところの植物を例に挙げます。アスパラガスも含まれる アスパラガス属、アガベなどのリュウゼツラン属、ケープバルブのアルブカ属も キジカクシ科です。

因みに、私が持っている 2004年発行の「世界の多肉植物」という本では『ヒヤシンス科・ボウィェア属』で紹介されていました。「科・属」が変わることは よくあるので 2004年当時から変わったものと思われます。この書の中では「アルブカ属・オーニソルム属」などの球根植物が同じ『ヒヤシンス科』として扱われていました。

属名の「Bowiea]ボウィェア は 19世紀に活躍したイギリスのプラントコレクター「ジェームス・ボウィェ」Jemes Bowie にちなんで付けられたそうです。

2.学名 Bowiea volubilis[ボウィェア・ボルビリス]

ボルビリスは、ラテン語で「捻じれた・絡んだ」と言う意味があります。海外では「クライミング・オニオン」「シーオニオン」と言う名前で呼ばれています。

日本では現在「蒼角殿」が一般的ですが、明治の末には「タマツルクサ」と名付けられ、昔から親しまれている植物のようです。

また、調べていくうちに「大蒼角殿」なる呼び名も出て来ました。『大蒼角殿=ボウィェア・ガリエペンシス』として紹介されていたり、『蒼角殿・大蒼角殿=ボウィェア・ボルビリス』としていたりで、かなり混同されているようです。

ボウィェア・ガリエペンシスは、ボルビリスと区別がつかないほど似ています。ボルビリスの成長期に個体差があるのに対し、ガリエペンシスは 秋〜春に生育し、ツルが太いそうです。

3.原産地 南アフリカ

原産地は 南アフリカ〜東アフリカの広い地域。海岸線沿いに広がる森林地帯の茂みから、標高1000m近い山岳地帯の岩場まで、と言う話もあります。

生育タイプは「冬型」と言われますが、原産地が広大なためか 個体によって違います。ちなみに私の育てている蒼角殿は この春活動を始めました。

4.育て方 & 5.水やり

育て方と、水やりについては 休眠期の管理もあるため一緒に解説します。

デリケートな植物ではないため、屋外で育てることも可能のようです。どの植物にも言えることですが、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるため、避けた方が良いです。

明るい場所で、葉を出した成長期にはたっぷり水やりをします。培養土は 水捌けの良い土がいいと思います。

落葉し、休眠期に入ったら水やりを控えめにします。よく「断水」とありますが、私は完全断水が苦手なので 月に1度くらい少しだけ水やりをしています。

6.増やし方

分球、鱗片挿し[葉さし]、実生の3種類で増やすことができます。

今回は、鱗片挿しを深掘りしました。葉挿しとも言いますが やり方は以下の通りです。

ボルビリスの球根は、タマネギ同様 養分を蓄えた鱗片葉が重なって形作られています。成長や環境の変化などで、外側の皮が枯れてきます。そのままにしておくと、水分が抜けて タマネギの茶色い薄皮のようになってしまいます。すっかり枯れてしまう前に その部分を剥がしとって、土の上に置いておきます。

球根は、鱗片の内側に出来ますので、土の上に置く際は内側を上に置きます。

剥がしとった鱗片を光にかざすと、うっすら線が確認できます。その線の下部分から根が出て来ます。大体3ヶ月くらいで発根してくるようなので、発根を確認してから水を与えてください。それまでの3ヶ月は、鱗片が腐ったりしない様、水やりはしなくても大丈夫です。

私は この「鱗片挿し」はしたことがないのですが、ボルビリスに似た品種で、自然に「鱗片挿し」になっていた物を見つけたので、参考までに画像を載せておきます。

君子蘭の鱗片挿し。黒い部分は鱗片が枯れたもの。1年ほど経過

品種は君子蘭だと思います。頂き物で瀕死の状態でした。長年手入れされた様子がなく 茶色くなった薄皮を取り除いていたところ、鱗片に小さな球根ができていたので そのまま鉢に置いていたところ 成長していました。

まとめ

なんとなく、調べ始めたボウィェア・ボルビリスでしたが いろいろなことがわかりました。昔から親しまれている品種と言われていますが、あまり情報がなく 本でも巻末に半ページ載っている程度でした。

また、蒼角殿大蒼角殿が同じものなのか、別なのかも 書籍により記載が違っていました。長年親しまれているが故のことなのかもしれません。

いつかガリエペンシスも入手し、育て比べしてみたい気持ちになりました。

この記事をお読みくださった方も、「蒼角殿」を見かけた際は ボルビリスなのか?それともガリエペンシスなのか?考えてみるのも面白いのではないかと思います。

追記:後日、栽培マニュアルを読んだところ、「蒼角殿・大蒼角殿」についての記述を見つけました。是非 こちらも読んでみてください

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

東北に住む 植物の種まきに取り憑かれた人。特に好きなのは亀甲竜。冬はマイナス10度は当たり前な環境で 地球の裏側、南アフリカ原産の塊根植物を育てて居ます。ビカクシダは 栽培歴6年ほど。緩い胞子培養しています。

コメント

コメントする

目次