こんにちは。「今日も蒔くぞ」chizuruです。
今まで 「胞子採取」「オススメ用品」などの記事を書きましたが、今回は いよいよ胞子を蒔いていきます。
準備するもの、用品などは 是非こちらから ご覧くださいね。
![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/uploads/2022/05/胞子⑤20220520-225x300.jpg)
![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/uploads/2022/06/20220608胞子培養ー道具②-300x225.jpg)
ビカクシダの胞子培養を始める前に。。。。
こちらは 飛ばしていただいても良い項目です。胞子培養を始めるにあたって 事前に お伝えしておきたいな、と思うことです。
- ビカクシダの胞子培養はとても時間がかかります。前葉体の発生まで1ヶ月程度必要とします。ライトや保温器具を使うともっと早い成長を望めると思いますが、他の植物に比べると とても遅いです。大人の株になるまでの「成長の過程を楽しみたい方」に向いていると思います。
- 成長してもダメになる株があります。1年、2年育てた株でも、人為ミスはもちろん、株自体が勝手にダメになってしまうことがあります。前葉体、胞子体は数多く発生しますが それらが 全て 成長していくわけではありません。言い方は悪いかもしれませんが 私は「数打てば当たる」的な感じで育てています。
- スペーシングなどのメンテナンスが必要。前葉体、胞子体と 成長が進むと「スペーシング」という作業が必要となります。1つ1つの株の間を空け、大きく成長させるためです。この「スペーシング」の繰り返しにより 大きな大人の株になります。スペーシングを始めると 容器が一気に増えますので、容器を並べる場所も必要です。スペーシングは、前葉体・胞子体が発生してから成長の様子を見て 行います。
※スペーシングせずとも 育つことは 育ちますが 蒸れなどが起きやすく、最悪の場合 容器内が全滅してしまうことがあります。
いざ、ビカクシダの胞子を蒔こう!
前置きが長くなってしまいましたが、いよいよビカクシダの胞子を蒔きます。やり方は、blog・YouTube等、さまざまな所で 様々な方が紹介されています。その中から ご自身に合ったやり方を選んでいただければと思っています。私のやり方も その中の1つの方法として 参考にしてください。
準備するもの
- 胞子[7〜10日乾燥させたもの]
- 容器
- 用土[ジフィーセブン]
- 茶漉し
- 筆
- 霧吹き
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①用土を戻そう
・ジフィーセブンを熱湯で戻します。耐熱容器にジフィーセブンを並べてお湯を注ぎます。最初はペタンコですが、水分を吸うと、3倍くらいの高さに膨らみます。私は 殺菌の意味も兼ねて 熱湯を使っています。水で戻し、レンジで殺菌する方法もあります。実生では ベンレートを使って 殺菌しますが、胞子培養では ベンレートは使ったことがなく 熱湯殺菌のみです。
用土は 熱を冷ましてから使用しますので この「用土を戻す」作業は事前にやっておくと良いと思います。
![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/uploads/2022/06/胞子を蒔こう①-300x225.jpg)
②殺菌しよう
・容器を殺菌します。私は密閉容器[タッパー]を使うので 容器に熱湯をかけます。蓋部分は熱さで変形してしまう場合もあるので 洗うだけにします。
③容器に用土を入れます
・熱が取れたジフィーセブンを容器に入れます。ジフィーセブンは薄い不織布に包まれています。そのまま使っても問題ないですが、私の場合、包み紙をとってしまい 中の用土を 容器に敷き詰めます。厚みは1cmくらいです。本来は3〜5cmが理想的です。
用土を平らにして 準備は完了です。
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④ビカクシダの胞子を蒔きます
・いよいよビカクシダの胞子 登場です。「お風呂で蒔くと良い」なんてことも言われていますが、室内でも十分 大丈夫です。紙に包んで乾燥させておいた胞子を 茶漉しに入れていきます。
※紙を開封する際、プチプチと 何かが弾ける事があります。これは 胞子嚢から胞子が弾け飛んでいるからです。ゆっくり開封する、トレーの上で作業するなどで後片付けが楽になります。
※茶漉しは胞子嚢と胞子を 分けるために使います。茶漉しを使わず そのまま蒔いても 発芽しますが、私は カビのリスクを減らしたいので 使っています。
・容器全体に 満遍なく蒔いていきます。茶漉しに残った 胞子嚢は 処分しますが、この残った胞子嚢にも わずかに胞子は残っています。私の場合 貧乏性なので あまり発芽は期待できませんが 2軍として 蒔いています。高価な胞子や、少量しかない場合は 2軍の培養タッパーが保険にもなります。
・筆を使って 茶漉しに残った胞子を容器に落とします。
![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/uploads/2022/06/胞子を蒔こう⑨.jpg)
![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/uploads/2022/06/胞子を蒔こう②-300x225.jpg)
![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/uploads/2022/06/胞子を蒔こう③-300x225.jpg)
⑤霧吹きで水分を与えます
・蒔いたビカクシダの胞子全体が湿る程度に 霧吹きをします。水だけでもいいですし、液体肥料を 規程よりも 大分薄めた水でも良いです。私の場合、使用している ジフィーセブンに 元々肥料分が入っている為 水だけにしています。
・蓋をして完了です。蓋は、なるべく透明なものが良いです。もし、透明な蓋がない場合は、なるべく透明な ポリ袋に容器ごと入れて、ポリ袋が ピンと張るように 口を結んでください。
⑥直射日光ではない、明るい 暖かい場所に置きます。
・前葉体が発生するまで、早くて2週間程度、遅くても大体1ヶ月程で 用土の表面がうっすら緑色になるなどの反応があります。寒い時期は、もう少し時間がかかったりします。やはり暖かい時期の方が 反応は早く現れますので、寒い時期の胞子培養は 加温するなどした方が いいと思います。時期にもよりますが 、数ヶ月何も変化が見られない場合は、残念ながら 失敗です。
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![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/uploads/2022/06/胞子を蒔こう11-225x300.jpg)
が、例外もあり 「不稔子・フネンシ」といわれる セルソを 胞子培養した際は 1年後に 前葉体が発生しました。この胞子が 高級だったので 諦めきれず そのままにしていたのです。これにはびっくりしました。現在も この培養容器のまま観察しています。発生に1年要したからか、その後の成長も とてもゆっくりです。現在 胞子を蒔いてから 2年、前葉体が発生してから1年ですが まだ 胞子体は 現れてはいません。
以上で 胞子蒔きは 終了です。
最後に・まとめ
今回は 私なりのビカクシダの胞子培養の方法を紹介しました。この記事を書くにあたり いろいろな方の 胞子培養法を 拝見し 学び直しました。
どのやり方も、ある程度 ビカクシダに慣れた方が 紹介しており 蒔く際の胞子の状態まで解説しているものはありませんでした。あまりにも採取が早いと、どんなに乾燥させようが 胞子嚢から 琥珀色の 胞子が 弾けない事があります。あまり詳しくない方は 「胞子ができた!」と、喜んで採取してしまうかもしれませんが 胞子には 採取するタイミングがあります。詳しくは 下記の回に書きましたので 読んでみてくださいね。
![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/uploads/2022/05/胞子⑤20220520-225x300.jpg)
私の経験則では 胞子の状態さえ良ければ、採取から1年経過していようが しっかり発芽します。
冒頭でも書いたように ビカクシダの胞子培養は 他の植物育成とは 比べ物にならない程 時間を要します。また、成長するにつれて スペーシングという作業も必須になります。それでも 小さいうちから 栽培のコツを掴みたい方、成長の過程を楽しみたい方には とても楽しい植物だと思います。
興味のある方は 是非やってみてくださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
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