「今日も蒔くぞ」chizuruです。
前回は ビカクシダの胞子の仕組みなどを深堀りしましたが、今回は 胞子培養に使えるグッズの紹介です。事前に揃えておくと、いざ胞子を蒔こう!という時 作業がスムーズにできると思います。
私は、2019年に初めて 胞子培養にチャレンジしました。当時から比べると 現在は 胞子培養する人が増え、道具や 方法の知識が多様になったと感じています。ネットでは 2019年頃の培養方法もあれば、現在の培養方もあり、やり方・ 道具の違いが見られます。どの道具がいいのか?迷っている方もいるのではないでしょうか?
この会では 3年にわたり 胞子培養を検索し、実践してきた私が 実際に使っているもの、オススメする道具を紹介したいと思います。どれも 特別なものでは ありませんが 何度も胞子を蒔いているうちに 厳選された 便利なものばかりです。
- 胞子培養をしてみたい方
- 道具、何を使ったらいいか迷っている方
- 作業を効率よく進めたい方
是非 参考にしていただければと 思います。
*ビカクシダの胞子
一番重要ですよね。道具ではありませんが 事前にやっておく 工程があるため 書いておきます。
前回の記事にも書いたように「茶色」「成熟」したものが好ましいです。
![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/uploads/2022/05/胞子⑤20220520-225x300.jpg)
自家採取のものでも、購入したものでも構いませんが 葉から削り取り よく自然乾燥させておきます。目安は 1週間〜10日程です。
品種に関しては 種類により胞子培養しやすいもの、できないものがあります。
胞子培養を始めた当初、高級な品種も 胞子培養ならお手頃に育てられるかも しれない!と、当時珍しかった「セルソ」などを培養していました。が、全く育たなかったことがあります。後から知った事なのですが、「不稔子・フネンシ」と言われる 胞子培養ができないものがあるそうです。
ビカクシダの品種は 園芸品種も含めると多数あり、どの品種が胞子培養可能か、不可能かは 私自身わかりません。経験則ですが「セルソ」「サンバウィエンセ」は 何度かチャレンジしましたが、胞子培養できませんでした。
逆に 反応が早いもの、よく育つものとして「リドレイ」「ネザーランド」「スーパーバム」が挙げらあれます。
用土
胞子を蒔くための培地です。私が使っているのは「ジフィーセブン」です。他には調整ピートもオススメです。調整ピートの場合は肥料分がないので 液肥をプラスして使用すると良いかと思います。
私が「ジフィーセブン」を使う理由としては ズバリ使いやすいからです。ジフィーセブンの原材料は「ピートモス・ヤシ繊維・初期生育肥料・Ph調整剤」などが 入っています。私の場合、殺菌のため 熱湯で戻し、熱が取れたら そのまま胞子を蒔いています。
培地については、検索すると 他の方が色々な用土に 胞子を蒔いて 生育の差があるのか?調べた記事が 複数出てきます。その結果からすると ジフィーセブンが一番適しているのではないかと思っています。
ちなみに、ビカクシダの板付には欠かせない「水苔」ですが、胞子培養には 私は 使いません。理由は「水苔」が本来持っている良さが 発揮できないからです。水苔には 他の植物の種子が混じっていることがあり、ビカクシダの前葉体かと思い 育てていたら違った!ということがありました。水苔自体が 育つ可能性もあります。さらに 殺菌の為、熱湯をかけてしまうと 水苔自体が持っている養分が 抜けてしまうなど、水苔が持っている良さが生かせません。よって胞子培養には不向きだと考えています。
ある程度育った頃に 水苔は 使用しますが、培養初期は「ジフィーセブン」が使いやすく 適していると思います。
容器
密閉できるもの・透明度が高いものが 望ましいです。大量に蒔く方は 発泡スチロールに底穴を開けたものがオススメですが、かなりの量になってしまいます。家庭で楽しむならば、タッパー容器などがオススメです。
私の場合は 胞子培養を始めた頃は コーヒーの粉が入っていた ガラスの空き瓶を使っていました。2019年当時は ガラス瓶で培養している方の記事を 参考にしていたので 同様にしていました。が、前葉体→胞子体→と成長し、いざ スペーシングしようとしたら とても作業しずらいことに気が付きました。
当時は 情報が少なかった為、「密閉・透明度」からガラス瓶を使っている人が多かったのではないかと推測します。ガラス瓶は、高さがあり、スペーシングの際「取り出しずらい」というだけで、煮沸消毒も容易ですし、「密閉・透明度」においては何も問題はありません。
他には 野菜やサラダなどが入っているプラスチック容器も使いやすいです。
![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
あれば より楽しめるもの
ここからは、あれば便利な道具です。基本的には 「容器・培地・胞子」があれば 胞子培養できますが 細かな作業には やはり 他の道具も必要です。
爪楊枝
私的には、一番よく使う道具です。胞子を葉から剥がす時も使いますし、胞子培養だけでなく、他の播種の際も使います。使い捨てなので どんなものでも構いませんが、いつも100均のものを常備しています
筆
胞子は とても小さいため、包み紙や あちこちにくっついています。筆があるとあちこちについた胞子を払うことができるので 用意しています。胞子を蒔く際に、筆で 培地に広げるやり方もあります。その際は 他の胞子と混じらないように、1回ごとに筆を洗う、複数筆を用意しておき 使うなどしています。
掃除にしても、播種にしても 使用した際は 必ず水洗いして しっかり乾燥させています。
茶漉し
胞子を蒔く際、胞子嚢と 胞子を分けるのに 使っています。胞子嚢は 有機物となり、胞子培養の際はカビの原因になります。なるべく 胞子嚢を取り除きたいと思い 茶漉しを使っています。
❌[以前は 100均のものを使っていましたが、胞子は 0.01mmととても小さい為 なるべく目の細かいもの]に変えました。
茶漉しで漉さなくても 発芽しますが、カビなどの失敗の原因を 少なくしたい方は 使うと良いでしょう。
❗️2022年7月16日訂正❗️
目の細かい茶漉しを使い発芽テストを行ってきましたが、⭕️使わない・⭕️100均一の茶漉し の方が 発芽率が良かったです。
LED付きルーペ
こちらは、胞子の状態を確認したい時に使う「観察グッズ」です。電子顕微鏡でも良いと思います。胞子嚢から 胞子が 弾けているか?など 見ています。
育成ライト
窓から差し込む 自然光でも 十分成長しますが、窓の無い室内で育てたい方は あった方がいいでしょう。植物用でなくても 水草育成ライト、普通のLEDライトでも成長します。
保温マット
冬や、寒い時期に育成を始めたい方は あるととても役立ちます。私が 愛用しているのは、爬虫類用の底面マットで「ピタリ適温プラス」というものです。胞子培養、他の塊根植物の播種でも ある程度暖かくないと発芽しないので かなりの頻度で使っています。暖かい時期や、暖かい地方の方には あまり必要では無いかもしれませんが 東北住まいの私には 必須アイテムです。
他にも、塊根植物の越冬に使ったり、成長を促したい時などに使っています。
植物用の底面ヒーターもありますが、マット自体の厚みと モコモコ感が気になり使用したことはありません。
最後に・まとめ
今回は 胞子培養にあると便利な 道具を紹介しました。胞子を蒔くやり方まで紹介したかったのですが、長くなってしまったので 道具の紹介だけにしました。
今まで 3年間、機会をみては いろいろな道具を使って胞子を蒔いてきましたが、その中で 便利だったもの、いつも使っているものをまとめました。
胞子培養は 始めた当初、「お風呂掃除したばかりの、湯気がモクモクの浴室で胞子を蒔く」という、儀式のようなことも していました。今では 笑い話のようですが、それほど胞子培養の情報がありませんでした。しかも、このような 「儀式」をしても、発芽が成功するとは 限りません。
![](https://kyoumomakuzo.com/wp-content/uploads/2022/06/20220608胞子培養ー道具-1-1024x768.jpg)
私の胞子培養は とても緩く、時間のかかるものなので あくまでも やり方の1つとして参考にしていただければと思っています。
今回の記事が、皆さんの道具選びの参考になれば幸いです。
最後までお読みくださり ありがとうございます。
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