こんにちは。「今日も蒔くぞ」chizuruです。
今まで 「胞子採取」「オススメ用品」などの記事を書きましたが、今回は いよいよ胞子を蒔いていきます。
準備するもの、用品などは 是非こちらから ご覧くださいね。
ビカクシダの胞子培養を始める前に。。。。
こちらは 飛ばしていただいても良い項目です。胞子培養を始めるにあたって 事前に お伝えしておきたいな、と思うことです。
- ビカクシダの胞子培養はとても時間がかかります。前葉体の発生まで1ヶ月程度必要とします。ライトや保温器具を使うともっと早い成長を望めると思いますが、他の植物に比べると とても遅いです。大人の株になるまでの「成長の過程を楽しみたい方」に向いていると思います。
- 成長してもダメになる株があります。1年、2年育てた株でも、人為ミスはもちろん、株自体が勝手にダメになってしまうことがあります。前葉体、胞子体は数多く発生しますが それらが 全て 成長していくわけではありません。言い方は悪いかもしれませんが 私は「数打てば当たる」的な感じで育てています。
- スペーシングなどのメンテナンスが必要。前葉体、胞子体と 成長が進むと「スペーシング」という作業が必要となります。1つ1つの株の間を空け、大きく成長させるためです。この「スペーシング」の繰り返しにより 大きな大人の株になります。スペーシングを始めると 容器が一気に増えますので、容器を並べる場所も必要です。スペーシングは、前葉体・胞子体が発生してから成長の様子を見て 行います。
※スペーシングせずとも 育つことは 育ちますが 蒸れなどが起きやすく、最悪の場合 容器内が全滅してしまうことがあります。
いざ、ビカクシダの胞子を蒔こう!
前置きが長くなってしまいましたが、いよいよビカクシダの胞子を蒔きます。やり方は、blog・YouTube等、さまざまな所で 様々な方が紹介されています。その中から ご自身に合ったやり方を選んでいただければと思っています。私のやり方も その中の1つの方法として 参考にしてください。
準備するもの
- 胞子[7〜10日乾燥させたもの]
- 容器
- 用土[ジフィーセブン]
- 茶漉し
- 筆
- 霧吹き
①用土を戻そう
・ジフィーセブンを熱湯で戻します。耐熱容器にジフィーセブンを並べてお湯を注ぎます。最初はペタンコですが、水分を吸うと、3倍くらいの高さに膨らみます。私は 殺菌の意味も兼ねて 熱湯を使っています。水で戻し、レンジで殺菌する方法もあります。実生では ベンレートを使って 殺菌しますが、胞子培養では ベンレートは使ったことがなく 熱湯殺菌のみです。
用土は 熱を冷ましてから使用しますので この「用土を戻す」作業は事前にやっておくと良いと思います。
②殺菌しよう
・容器を殺菌します。私は密閉容器[タッパー]を使うので 容器に熱湯をかけます。蓋部分は熱さで変形してしまう場合もあるので 洗うだけにします。
③容器に用土を入れます
・熱が取れたジフィーセブンを容器に入れます。ジフィーセブンは薄い不織布に包まれています。そのまま使っても問題ないですが、私の場合、包み紙をとってしまい 中の用土を 容器に敷き詰めます。厚みは1cmくらいです。本来は3〜5cmが理想的です。
用土を平らにして 準備は完了です。
④ビカクシダの胞子を蒔きます
・いよいよビカクシダの胞子 登場です。「お風呂で蒔くと良い」なんてことも言われていますが、室内でも十分 大丈夫です。紙に包んで乾燥させておいた胞子を 茶漉しに入れていきます。
※紙を開封する際、プチプチと 何かが弾ける事があります。これは 胞子嚢から胞子が弾け飛んでいるからです。ゆっくり開封する、トレーの上で作業するなどで後片付けが楽になります。
※茶漉しは胞子嚢と胞子を 分けるために使います。茶漉しを使わず そのまま蒔いても 発芽しますが、私は カビのリスクを減らしたいので 使っています。
・容器全体に 満遍なく蒔いていきます。茶漉しに残った 胞子嚢は 処分しますが、この残った胞子嚢にも わずかに胞子は残っています。私の場合 貧乏性なので あまり発芽は期待できませんが 2軍として 蒔いています。高価な胞子や、少量しかない場合は 2軍の培養タッパーが保険にもなります。
・筆を使って 茶漉しに残った胞子を容器に落とします。
⑤霧吹きで水分を与えます
・蒔いたビカクシダの胞子全体が湿る程度に 霧吹きをします。水だけでもいいですし、液体肥料を 規程よりも 大分薄めた水でも良いです。私の場合、使用している ジフィーセブンに 元々肥料分が入っている為 水だけにしています。
・蓋をして完了です。蓋は、なるべく透明なものが良いです。もし、透明な蓋がない場合は、なるべく透明な ポリ袋に容器ごと入れて、ポリ袋が ピンと張るように 口を結んでください。
⑥直射日光ではない、明るい 暖かい場所に置きます。
・前葉体が発生するまで、早くて2週間程度、遅くても大体1ヶ月程で 用土の表面がうっすら緑色になるなどの反応があります。寒い時期は、もう少し時間がかかったりします。やはり暖かい時期の方が 反応は早く現れますので、寒い時期の胞子培養は 加温するなどした方が いいと思います。時期にもよりますが 、数ヶ月何も変化が見られない場合は、残念ながら 失敗です。
が、例外もあり 「不稔子・フネンシ」といわれる セルソを 胞子培養した際は 1年後に 前葉体が発生しました。この胞子が 高級だったので 諦めきれず そのままにしていたのです。これにはびっくりしました。現在も この培養容器のまま観察しています。発生に1年要したからか、その後の成長も とてもゆっくりです。現在 胞子を蒔いてから 2年、前葉体が発生してから1年ですが まだ 胞子体は 現れてはいません。
以上で 胞子蒔きは 終了です。
最後に・まとめ
今回は 私なりのビカクシダの胞子培養の方法を紹介しました。この記事を書くにあたり いろいろな方の 胞子培養法を 拝見し 学び直しました。
どのやり方も、ある程度 ビカクシダに慣れた方が 紹介しており 蒔く際の胞子の状態まで解説しているものはありませんでした。あまりにも採取が早いと、どんなに乾燥させようが 胞子嚢から 琥珀色の 胞子が 弾けない事があります。あまり詳しくない方は 「胞子ができた!」と、喜んで採取してしまうかもしれませんが 胞子には 採取するタイミングがあります。詳しくは 下記の回に書きましたので 読んでみてくださいね。
私の経験則では 胞子の状態さえ良ければ、採取から1年経過していようが しっかり発芽します。
冒頭でも書いたように ビカクシダの胞子培養は 他の植物育成とは 比べ物にならない程 時間を要します。また、成長するにつれて スペーシングという作業も必須になります。それでも 小さいうちから 栽培のコツを掴みたい方、成長の過程を楽しみたい方には とても楽しい植物だと思います。
興味のある方は 是非やってみてくださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント